のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

吉村家と家系ラーメンの話

家系ラーメン総本山の吉村家に行って来ました。のっきーは家系ラーメンが大好きです。なのでその美味しさについてつらつら語ります。

家系ラーメンとは、神奈川県横浜市の吉村家を発祥とする、豚骨醤油味のラーメンのことです。

豚骨と鶏ガラベースのスープ、醤油のカエシ、鶏油、具材はスモーキーなチャーシューとほうれん草とパリパリの海苔、白ネギを少々。麺は酒井製麺のモチモチとした中太の平ストレート麺。というのが王道のスタイルです。ちょい足しの調味料やトッピングも豊富で、自分好みにカスタマイズできます。そしてごはんにとってもよく合う。

その美味しさ、完成度の高いフォーマットの魅力も相まって、近年すごい勢いで家系ラーメンの店は増え続けており、「家系図」が組めるまでになっています。家系図ははまれぽのこちらがとても詳しいです。

横浜の家系ラーメン全店制覇への道〜家系図を作ろう〜[はまれぽ.com]

のっきーはこれまで、元祖の吉村家と、吉村家の直系店舗、直系店舗から広がる本牧家系、王道家系、壱六系、あと吉村家によらないオリジナルの家系と一通り食べて、さらに家系の源流と目されるラーメンショップにも行きました。活動限界があるので横浜市内の店舗ばかりなんですが、それでもまあまあ食べている方ではないかと思います。

その上で一番のオススメを上げるならば、やはり元祖の吉村家です。オススメポイントはこちらです。

・元祖にしか出せない、高レベル高バランスのスープと麺と具材

・追加のトッピングが新鮮かつ量がどっさり、しかも安い

・オペレーションが完璧で、行列がわりとすぐ溶ける

・帰りにお土産で野菜や果物がもらえる

家系ラーメンの味の要素はざっくり3つ、「とんこつと鶏ガラのスープ」「醤油のカエシ」「鶏油」です。吉村家はそのバランスが絶妙で、豚骨醤油でありながらもしょっぱさや油っこさが舌につかない、豊かな旨みのあるスープを実現させています。元祖・直系共に、キッチンを覗くと、スープを仕込む寸胴に、豚骨と鶏ガラが山のように盛られているのを目にするので、あれで取った豊潤なダシが、醤油カエシの塩気や鶏油の脂っ気をどっしり受け止め調和させ、最後の一口まで飽きさせないスープにしているのだと思われます。

スープの仕上がりは午前・午後で違いがあって、午前はあっさり、午後はこってりです。のっきーのおすすめは午前中のスープです。あっさりしているのにコクも豊かな風味も感じられる、吉村家の唯一無二感が前面に出ている味だと思います。

興味深いのが、吉村家は元祖でありながら、時代に合わせてどんどん味を進化させている点です。創業当時の素朴で淡い豚骨醤油の味は本牧家系に残り、今の吉村家はスープも具もギュッと存在感が濃い、スタンダードと華やかさを併せ持った味になっています。お店の行列にはスーツケースを引いた観光客と学校帰りの高校生が同時に並んでたりするんですが、その通り、ハレでもケでも行ける懐の深い一杯です。

ブログに書こうと思って、先日行った時は味覚のアンテナをいつもより尖らせて食べました。しみじみ、「麺もスープもトッピングもいいものを使ってる・しっかり作り込まれているなあ」と感じました。特に鶏油はかなり上質なものだと思う。一番上に浮いていて、一番最初に舌に触れる油がまずいと全部不味く感じるものだけど、全くそんなことがないです。脂っこいどころか、見た目の割にあっさりにすら感じた。この食べやすさが吉村家の真骨頂だと思いました。全部のバランスがいいので、後から味をつけ足さなくてもいいなあと思って、毎回卓上の調味料は使わないでいました。が、ラーメン酢はオリジナルで開発しているという話を聞いたので、次に行った時は試してみようと思います。最初の一杯、いろいろ冒険した後に戻ってくる一杯、どちらにもふさわしい、まさに総本山!といった味わいです。

味のレベルも知名度も高いお店なので、吉村家には開店から閉店までずっと行列ができています。列捌きの手際がとても良いので、平日の午前中だったら30分か40分待ちで食べられます。店員さんの誘導のままに食券を買って、茹で上がりの好みを伝えて、席について、とひたすら流れに乗っていれば目の前にラーメンが着丼します。席は1階と2階にあって、どちらに振り分けられるかは運です。調理の様子が見られる代わりにやや忙しない雰囲気の1階、調理の様子は見られないけど、BGMのラジオを聞きながら町中華さながらに落ち着いて食べられる2階とあるので、どちらに当たっても面白いです。

食べ終わったら、出口に本日のお土産が置いてあるので、自由に持って帰れます。メッシュコンテナに無造作に積まれた野菜や果物で、日によってとうもろこしだったりバナナだったり春菊だったり、バリエーション豊かです。多分ほうれん草とかの買い付けに市場に行った時に、その日の特売のものを買って来て置いてくれてるんじゃないかなあ……。すごいサービス精神。

以上です。今回は吉村家について書いたけど、直系店舗のこともそのうち書きたいです。直系店舗と言っても味の方向性が店ごとに違っていて、吉村家より◯◯家の方が断然美味しい!という人もいて、それも家系ラーメンの魅力です。横浜に来たら是非寄って見てね。

大学の科目に日本拉麺概論があったらこんな感じかもしれない、ラーメンの越し方行く末を学べる本。文字びっしりで読み応えがあります。吉村家と家系ラーメンのことも載ってるよ。Kindleならちょっと安い&半額ポイントバックでお得です。