のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

焼き芋と青木昆陽の話

今週のお題「芋」を書きます。

さつまいもが美味しい季節ですねー。のっきーは去年焼き芋のおいしさに目覚めて、毎日のように焼いていました。焼き方のコツを覚えたので、ホックホクの甘〜いお芋が焼けます。

といってもほぼ焼き芋メーカーと芋の実力なんですけどね。こういうの。

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焼き芋専用機は、焼き芋好きは買っておいて損はないです。おいしい焼き芋の秘訣は「焼き芋全体にまんべんなく、とろ火で、じっくり熱を入れる」、これなんですが、専用機なら洗った芋をそのまま入れてほったらかしで、簡単にねっとり&ホクホクの仕上がりになります。

のっきーは上のガス火専用の焼き芋プレートを使っています。分厚いアルミ合金の型に芋を入れて、とろ火で表裏じっくり30分ずつ焼く。そうすると中までしっかり糖化が進んで、外はこんがり中はしっとりの、黄金色のスイーツのような焼き芋が焼けます。安納芋や紅はるかのような蜜の多い芋だと、蓋を開けるとべっこう飴のような糸を引くほどです。

メーカーのHPを見たら、下の電気式でも同じように焼けるみたいです。レビューを見るとややふかし芋に近い仕上がりになるらしい。電気式は途中でひっくり返さなくて良くて、コンロを占領しなくていいのが魅力的ですね。

のっきーは何となく火で焼いた方がおいしそうな気がしてガス火式の方を買ったんですが、これ、もう製造していなくて、小売店の在庫がはけたら販売終了らしいです。シンプルな作りでパーツをバラして丸洗いもできるし、いい商品なのになあ。3000円くらいで買えたのが今はプレミア価格になっちゃっているので、お求めの方はフリマサイトなどを見た方が安く買えるかもです。

芋の品種はシルクスイートがイチオシです。口当たりはなめらかでしっとり、上品な甘さがあり、冷めても美味しい。焼きすぎても翌日楽しめるのがいい所。

さつまいもといえば甘藷先生ですね。青木昆陽。江戸時代中期の蘭学者で、享保の大飢饉で人々を救うため、救荒作物としてさつまいもを広めた人です。

甘藷先生のお墓は目黒区の目黒不動尊にあって、お参りしたことがあります。お墓はお寺の敷地を出て裏手に回り、細い路地を入って行った奥に、一般の方のお墓と並んでひっそりとありました。墓碑銘が「甘藷先生」で、さつまいもがお供えしてあって、地元の方に慕われているんだなあとほっこりしました。

いい機会なので甘藷先生が著した「甘藷記」も読んだよ。ネットの国書データベースで、家にいながらタダで読めます。すごい。さつまいもは他のお芋と比べてまずいけど、早くたくさん実って貯蔵性も良いと書いてありました。おいしくなかった芋をここまで甘く食感良く改良した現代の技術すごいなー。ほかにも白芋や胡蘿蔔(にんじん)芋、三つ葉芋や櫻芋というお芋があって、「上品」のお味だったみたいです。特に白芋は甘くて栗のような味だったみたい。焼酎の原材料の白芋とはまた別なのかな。

調べるついでに享保あたりからの日本史もおさらいしました。それで気づいたんですけど、日本の歴史ってつい最近になるまで、ずーーーっと食料不足との戦いだったんですね。飢饉というと大昔の話に思えるけど、江戸四代飢饉の最後、天保の大飢饉がだいたい190年前です。今80代の方が昔ひいおばあちゃんに聞いたそのまたひいおばあちゃんの話、で届きますよ。

この飢饉の後にも戦争の食料不足が続いて、日本人みんなが飢え死にの恐怖から脱したのがおよそ70年前。庶民でも気軽に海外に行けて、輸入食材も豊富に入ってくるようになり、多種多様な外食を楽しめるようになったのが40年ほど前。ネット通販で、家にいながらにして世界中の食べ物が手に入るようになったのが20年ほど前。作物の品種改良も進んで、人類史上最高に豊かな食生活ができているのが今です。楽しまねば。その道のりの途上の重要ポイントに甘藷先生がいるわけで、歴史の連なりにしみじみしてしまいました。今秋もたくさんお芋を食べるぞ。