のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

発達障害の擬態と障害と個性の話

4月も半ばに差し掛かり、新生活の中で擬態を頑張っておられる方も多いと思います。

この時期、木やら草やらが芽吹くものだから、「自分も何か新しいことをしなくちゃ」とソワソワして焦るんだけど、流されてはいけない。「ここ何年も新しい人間関係(友人知人)を作っていないのはなぜだ、擬態がしんどいからだ!」と心にビンタしつつ平穏を守っています。

「擬態」というのは発達障害界隈でよく使われている言葉です。何かというと、「発達障害者が定型発達者のフリをして、定型の社会に溶け込もうとすること」です。言葉、態度、ファッション、生活習慣、もろもろが発達障害者は定型発達者とは異なっている所があります。そのままでは定型が圧倒的多数の現代社会に受け入れられないため、自分を抑えて定型の真似をするわけです。

のっきーはADHD/ASD併発なんですが、やはりこの「擬態」が大変面倒でしんどいので、必要最低限の人間関係以外は築かないようにしています。この時期は真新しいスーツ姿の新社会人を見るたびに「自分には無理すぎる」という思いでシオシオになり、反芻思考でぐるぐるしちゃう。

その昔、就活中、就職説明会の当日が土砂降りの雨だったので、のっきーはスーツにゴアテックスのスニーカーを履いて会場に行きました。そうしたら周り全員、びしょ濡れになるのも厭わず革靴で来ていた。合皮だとしても、あんな滴るほど濡れたらダメになっちゃわない?と思ったけど、体裁を保てずおかしいのはのっきーの方であった。一事が万事「こうした方がいいのに」で暴走していたので、面接はどこも受からず正社員にはなれず、アルバイトを転々とするはめになりました。

みんな何かしら辛抱はしていると思うけど、発達障害はその度合いがかなり大きい。ほぼ別人にならないといけないのは辛い。一人の時は自分を全開放して、ここぞとばかりに◯にたい消えたい言ってます。それでも無理な人付き合いをしていた頃よりは言わなくなったので、大分良い感じです。

思うに発達障害は「個性」の障害なのではないか。「障害は個性」ではなく、「個性の障害」です。

この場合の「個性」とは、オリジナリティがある、ユニークである、ということの他に、定型発達から見て、規格外、特殊、普通の物差しで測れない、という意味も含みます。

定型発達者はその名の通り「定まった形を取れる」特性があります。社会のあらゆる場において、そこにふさわしい態度・言葉遣い・ファッションができ、その場の空気に溶け込むように振る舞うことに非常に長けている。「集団に準じる」ことを全うできて、側から見るときっちりと粒が揃って、整っている印象です。この能力があるからこそ、人類は集団の力でこれだけの文明社会を築き上げてこられたのだと思う。トーマス・エジソンは「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である。」と言ったけど、「文明とは、1人の天才(発達障害)と99人の定型発達である」とも言えるのではないか。のっきーのような半端な発達障害キノコは所詮、一人の天才を生み出す為の捨て駒に過ぎぬのよ……。

話が逸れましたが、集団を是とする定型発達からすれば、発達障害も「なんらかの共通した特徴を持つ集団」と捉えがちなのかもしれない。「発達障害の特徴は◯◯」という情報がネットに反乱していますが、ざっくりし過ぎていたり、見当違いなものも少なくない。「発達障害の特徴」というのはあってないようなもので、ASD、ADHD、LD、そのいずれかの併発によっても違うし、言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度などの知能の水準や凹凸の度合いなど、人によって出ている特性も困り感も、可能なことも不可能なこともバラバラです。「個性の障害」とはこのことで、一人一人の能力がまるで違ってつかみどころがないのが発達障害という障害のキモだと思います。

発達障害という言葉が知られるようになったものの、その中身まではよく知られていないので、「あの人発達障害って言う割に◯◯ではない、本当にそうなの?」と混乱したり、実際は違うのに「あいつは特徴が出てる、発達障害じゃないか」と疑ったり、みんなが誤情報に振り回されているのが今だと思います。過渡期ですね。多様性を尊ぶ今の風潮は追い風だと思うので、もう20年も経てばまた変わってくるかな。

「発達障害者同士仲良くしたらいい」というのも良し悪しだなーと思います。個人的には能力も困り感もバラバラなのに、「同じ電車に乗り合わせたんだから仲良くしなよ」と言われてるようなもので、なかなか難しいと思う。もちろん自助会に参加して、上手くいっている人もいます。人それぞれ。定型発達者は「定型発達者同士仲良くしましょう」と言われてえーっとならないのかな。ああでも「同じクラスなんだから」「同じ部署なんだから」仲良くしようってよくありますね。表向きそつなく付き合う。擬態が必要だ……。

あと何万年かかるかわからないけど、世の中が平穏で、発達も定型もない、ただ「その人」がいる、という時代になったらいいな。

不死者をめぐる、ダークSFファンタジー漫画です。すんごい面白い。Kindle Unlimited無料でいいのが申し訳ない。主人公のアンダーをはじめ、過酷な状況にも関わらず、登場人物がみんなどこか飄々としているのが好きです。7巻なので追いつきやすいよ。みんな塩カレー食べよう。