のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

ゲ謎を観てきたよ(ネタバレ有)

映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を観てきました。

すごかった……。田舎の因習、親族間の確執、歪な親子関係、パワハラブラック労働などなど、共感しすぎて受け取るものが多すぎて、上映中も後も情緒がかき乱されて呆然としてしまった。今自分が抱えている問題ってそのまま日本社会の病でもあるんだなと思いました。とはいえ内容はバトルあり謎解きありで、ラストの鬼太郎誕生に向かって進んでいくので、純粋にエンタメとしても楽しめました。ゲゲゲの鬼太郎本編に繋がるので、後味もそんなにモヤモヤしません。いい映画だったー。

あらすじをざっくり言うと、戦争で全てを失った血液銀行のサラリーマン「水木」と、行方不明の妻を探す幽霊族の妖怪「ゲゲ郎」がタッグを組み、「飲めば延々と働き続けられる」謎の薬「M」の製造元「哭倉村」と、その当主一族「龍賀家」の謎に迫るという話です。

箇条書きで感想を書きます。ネタバレしてるよ。

・昭和31年の夏って時代設定。横溝正史の世界に通じる。田舎の屋敷のじっとり感。ごついガラスの灰皿に黒電話に一枚板の分厚いテーブル。素晴らしい。

・昔の寝巻きは浴衣が標準だったのね。水木、どこでもタバコを吸う。本当にずーっと吸ってる。

・全体的に人間側が露悪的に描かれていて、人間ですみません……となった。

・幽霊族のゲゲ郎と奥さんの夫婦愛がまっすぐで救われた。酒が入ったゲゲ郎の惚気に泣けた。奥さんが血を抜かれながらも鬼太郎を守りきったのにも泣けた。人を変える出会いってある。

・ゲゲ郎強い。バトル要素が結構ある。下駄が飛んだ時キターっとなった。

・沙代さんが狂骨を発動させた時にヒョー!やれやれえ!ってなった。全部潰したれえ!!

・沙代さんと水木とのやりとりがしんどかった。水木は東京の人で、自由で、銀座にも哭倉村にも自分の意思で行き来できる。それがどんなに眩しいことか。家と土地と墓と毒親に一生縛られて生きて行く地獄。どんなに金と名誉があったとて、精神が解放されないしんどさ。沙代さん、あの時一人でトンネルをくぐっていたら果たして自由はあったか。多分なかった。

・ワンショットで正確に斧を吹っ飛ばす水木の射撃能力。時貞の抱えた骸骨も綺麗に割り抜いてたし、戦闘能力が高い。同じ人間だけど基本何をやってもしごできだから、共感よりひたすらすっご……と思って見ていた。

・時ちゃんが可哀想。というか子供達がずっと可哀想。社会のストレスの行き着く先はいつだって子供なんだと思った。あの大人達もかつては病んだ社会のしわ寄せを一身に背負わされた元子供だと思うと、ラスボスの時貞の姿も納得。

・みんなの心に時貞はいる。「自分がやらなきゃ、自分じゃなきゃダメだ」って妄執は誰にでもあると思った。そういう人の言葉と態度は「この人がいないと回らない」と周りにも思い込ませるパワーがあるけど、ただの人間だもの、代わりはいるよ。

・地下の封印が解かれて村が全滅してHoooo!!でした。利益のために悪いことをする人がいる→だんだん乗っかる人間が増える→一人当たりの「悪」の負担が小さくなり、後ろめたさがなくなる→経緯を知らず自覚もなく「悪」のシステムに組み込まれる人間が増える→数十年後に甚大な被害が出る。社会の縮図だ。

・謎の少年(ネズミ男?)のひょうひょうとしたキャラが清涼剤だった。ちょいちょい出てきてくれてふふってなれた。決戦前にフラリと居なくなる引き際の良さも含めて好き。 

・エンディングで再会するもみんな元の状態でないのが切なかった。鬼太郎が墓から出てきてわあわあ泣いてて、それまで人間関係のドロドロをさんざん観せられてからの無垢な命が尊すぎた。よく生まれたなあ、鬼太郎……。ゲゲ郎も奥さんもどんなにか抱っこしたかったろうな。

・最終的に愛の物語でした。ゲゲ郎みたいになりたい。

エピソード0としても昭和の怪奇譚としても良くできていて、とても面白かったです。PG12で人がたくさん死ぬし、欠損描写もあるので、ホラー要素がちょっとでもあると無理という人にはきついかも。鬼滅の刃の劇場版を観て大丈夫だった人ならいけます。のっきーは品切れでもらっていないんですけど、入場特典の評判が良くて、第二弾が12月8日から始まるらしいので、ご興味のある方は劇場に足を運んでみてね。