親知らずを2本一気に抜いてきました。
右の上下の2本で、かかりつけの歯医者さんに「1本は近くに太い血管が通っていて、1本は真横になって埋没しているから、うちでは抜けません。紹介状を書くのでそこで抜いてもらってください」と言われ、紹介された歯医者さんに行って来ました。「難しい抜歯と言われていたから、初診では抜かないだろうな。今日は検査と説明で、抜くのは次回かな」と思っていたら、「今日2本とも抜けますけどどうしますか?」と聞かれ「えっ!今日!?あ、じゃあせっかくなのではい」ということで心の準備が何一つできていないまま抜歯してきました。
「きっと時間がかかるだろうなあ」と覚悟していたら、2本で30分かかるかかからないかで抜けました。早っ。親知らずの根っこが張っていなかったのもあるけど早い。最初に若めの優しそうな先生が問診してくれて、「この先生が抜いて下さるのか」と思い準備が整うのを待っていたら違った。後からごっつい黒ルーペをかけた、この道ウン十年、抜いて来た親知らずウン万本、「お前は今まで抜いた親知らずの数を覚えているのか……?」と言わんばかりの重厚なオーラをまとった手練れの先生が登場して、爆速で親知らずを抜いて行きました。非常に慣れた手つきでスピーディかつ豪快な治療で、アゴも頭も骨の髄からグワングワンして、(だいぶ手慣れてらっしゃる、が、かなり力技では?いやこんなものなのか???)と治療中混乱しました。しかし手心を加えて1時間も2時間もかけていたら心がポッキリ折れていたと思うので、これが最適解なんだろうな。抜歯の波状攻撃にびっくりして、全部終わった後にお会計して電車に乗って家に帰り着くまでポカーンとしていました。
抜歯自体はほぼ無痛でした。麻酔を歯茎の深い所に入れたのが痛かったくらい。無痛だったんですが、口の皮膚をぐいーと引っ張られてハンマーでガンガンガンガン!!!!!チェーンソーみたいな何かでギュインギュインギュイン!!!!!!と解体工事みたいな衝撃が続いて、折れはしなかったけど心がやや削られた。これは治療だと頭ではわかるんだけど、体の一部が損なわれていく感覚が何とも悲しくて切なくて鼻の奥がツンとしてしまった。あと大人に力ずくで何かされるって怖いね。「抜けました」と言われた時の安堵感が半端なかったです。やり遂げたー。
せっかくなので抜歯後の親知らずをもらって来ました。抜かれたまま、処置台の上で力なく転がっている姿を見て、「2本とも、一度も噛み合わさることのない歯生だったなあ。埋没歯なんて、日の目を見たと思えば抜歯されて。今までありがとうな……」としみじみしました。このまま捨てられるのは忍びないので、先生に「持って帰りたいです」と言ったら、「いいけど、不潔だから触った手で目をこすったりすると結膜炎になるよ」と言われて確かにそうだわと思いました。自分の体から出たものだから感じ入っちゃったけど、実際の所は雑菌だらけだよな。かわいい歯の形のプラケースに入れてもらったので、今後の戒めとして触らずに時々眺めようと思います。
またご飯が食べられない地獄の1週間が始まるぞ。1本目の親知らずの抜歯でだいだいの流れは掴んだので、今回はドライソケットにならないように気をつけて過ごそうと思います。
お気に入りの歯磨き粉、歯磨撫子の薄荷みかん味です。天然精油使用、合成香料不使用でみかん飴みたいな優しい味です。このシリーズは普通の歯磨き粉より全然泡立たないんだけど、口当たりが優しい。薄荷みかん味は限定で在庫限りなのが寂しい。レギュラー化しないかなー。