のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

親知らずを抜きました(1本目)

親知らず、4本のうちの1本を抜いてきました。

頑張った……。痛くはなかったけど精神削られた……。今回の歯は四天王の中でも最弱なので、根も張っておらず、抜きにかかってからは10分もかからなかったです。でもあれ、結構力技で抜くんですね。四方八方からグイグイ押されて、麻酔が効いているので無痛なんですけど、歯がミチミチと軋んで抜けていく感覚にヒエッとなりました。目をギッチリ閉じて、未知の感覚にひたすら耐えました。あれ精神やられるよー。抜いた方がいいと頭ではわかっていても、身体の一部が損なわれていく焦燥感に心が折れそうになるんですよ。抜けた後はホッとして、しおっしおになりました。親知らずはお土産に持って帰ってきました。顎がもっとガッチリ広かったらお前もスクスク生えてこれたのにな。この親知らずは上の歯だったんですけど、下の親知らずが歯茎の下なので、どの歯とも噛み合わずに終わった歯生でした。ちょっと虫歯になっちゃってたので、今後の口腔ケアをしっかりするぞと決意を新たにするためのアイテムとして、大事にとっておこうと思います。

残り3本です。だいたい1ヶ月に1本くらいのペースで、順番に抜いて行く予定なんですけど、4本目にラスボスがいるんですよ。歯茎の下に横に生えていて、抜き取るスペースがないやっかいな奴なんです。それだけは先生に紹介状を書いてもらって、大きな病院の口腔外科になるかもしれないとのことでした。「歯茎を切って、少しずつ歯を崩しながら取り出します」と言われて恐ろしさに震えています。そんなことやっちゃうの。でも2本3本と抜いていくうちに抜歯に慣れるかもしれないし。あんまり考えないでおこう。今から恐怖に怯えていてもね、仕方ないからね。

術後の経過ですが、処方された抗生剤と鎮痛剤のおかげで「ずーっとジンジン痛がゆい」くらいに抑えられています。一回鎮痛剤が切れて夜中に痛みで起きてしまったけど、困ったのはそれくらいです。歯を抜くって大変なことなのに、医学の進歩ってすごい。

あと麻酔もすごい。あんな大人の力でグリグリ歯を引っこ抜いても痛くないなんて。麻酔の注射も極小の点でチッ……と突かれた程度で、全然耐えられました。医学の進歩すごい!今の世に生きていて良かった。麻酔ってすごいなと思ってネットで調べたら、江戸時代後期の華岡青洲という有名な外科医の先生の記事を見つけました。通仙散という独自の麻酔薬を開発し、世界初の全身麻酔での手術を成功させた人だそうです。名前は教科書で見たことがあったけどそんな偉人だったの。もう足を向けて寝られません。江戸時代でそれってことは、昔の人って今とは比べものにならないくらい痛みに耐えた人生だったんじゃないですかね。栄養状態も良くないだろうし、医学も今のように発達していなくて、鎮痛剤などの緩和ケアも乏しかったろうし。老いも若きも病にかかったらひたすら痛みと戦って、痛みを伴った方法で治して、しんどかったんじゃないかな。

体だけじゃないかも。心のしんどさも痛みも相当あったでしょうね。今みたいに価値観が多様化していないし、国力も弱くて衣食住も充実していないから、生き延びる為のシステムとして、家父長制や婚姻制度が重要視されて、個々人の幸せなんて望むべくもなかったんじゃないか。好きな土地に住むことも好きな仕事をすることも好きな人と結婚することも難しそうですよね。生まれてから死ぬまで、属しているコミュニティへの滅私奉公を求められて、そういうのに耐えていたからこそ、昔の人はあんなに引き締まった大人っぽい顔をしていたのかも。温暖で餌も豊富な南の魚より、厳しい寒さで餌も少ない北の魚の方が身が締まっていて美味しいみたいな話。そう思うと、現代人は昔と比べて子供っぽくて幼い顔つきだというの、全然いいことですね。それだけ平和と豊かさを享受して、いつまでも若々しく、心を解放して生きられているという証拠でしょうし。南の魚は美味しくないから価値がないかって言われたらそんなこと絶対ないわけですし。ニモもドリーも身に旨みがないし可食部も少ないからダメだなんて誰も言わないもんね。江戸時代の人に今の世の中を見せたらこっちに引っ越したいって思うんじゃないかなあ。

これを書いている今、レンチンですぐできるうどんを食べているんですけど、簡単手間要らずなのに出汁が効いていて具も満足感があるし、本当に美味しいです。傷んだ身体に染みる。しみじみありがたいと思いながら食べています。熱いものと固いものが食べられないから冷ましてふやかしてから食べているんですけど、それでも十分美味しいよ。人間、壁を突破するとその向こうの景色が当たり前になって壁の残骸には目もくれなくなってしまうけど、どうして、薄紙を重ねるようにちょっとずつちょっとずつ世の中って良くなっているんだなと思いました。