のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

【人力vs生成AI】イラスト実写化対決してみたよ

ここ数年、生成AIイラストの勢いが止まる所を知らないですね。のっきー、イラスト置き場としてPixivを使っているんですが、投稿時に「生成AIのイラストですか?」と聞かれる項目があったり、ジャンルによっては人が描いたものよりAIで生成したイラストの方が多いんじゃないの?と思ったりで、すごい速さで創作の世界に浸透して来ているんだなあと感じます。

そんなに魅力的なら一回使ってみようと思って、今回勝手に「人力vs生成AI、イラスト実写化対決」をしてみました。けっこう興味深い結果になったと思うので、どうぞご覧下さい。

今回使用した生成AIと、人力で使ったお絵描きツール

www.seaart.ai

生成AI代表としておいでいただいたのがこちらの「SeaArt AI」です。AppleかGoogleのアカウントで登録すれば、基本の機能は無料で使うことができます。今回は「クイックツール」内の「マンガを実写化」機能を使いました。

対するのっきーはiPad Air5と、お絵描きアプリibisPaint(無料版)を使いました。お互い無料なので実力は拮抗しているはず……。多分……。

実写化するイラスト

実写化するのはこちらの本の表紙の女の子です。最近読んだ本の中でもとりわけ心に響いて思い入れがあるのと、詳細な情報を持たないキャラクターなので選びました。この本は少女からマダムまで、ASD当事者のインタビューが大量に載っていて、もはや絶滅寸前これまで!と絶望していたら実は同じ種族がたーくさんいた……!という気持ちになれました。(※のっきーはASD/ADHD併発の手帳持ちです)

さっそく対決開始

実写化するにあたって、表紙の画像そのままだとノイズが多い(文字情報や紙のざらつきなど)ので、まずはイラスト部分を人力で模写しました。

こんな感じになりました。この1年間絵を描き続けて模写の精度が上がったので、十分使えるレベルの写しが取れたかなと思います。

この模写したイラストを「SeaArt AI」にアップロードし、「創作」ボタンをポチッとします。1分もかからずに実写化イラストが生成されました。早い。

こちらです。

これが1分未満でポンですよ。すごいね。色合いや雰囲気がちょっとヒエロニムス・ボスっぽい。綺麗だけどただならぬ感じが……。あと女の子が可愛い。所々迷いが見えるけど、植物と人間を見分けて、それぞれを美しく加筆する技術が素晴らしいと思いました。ここまでできるんだ。AIすごい……。

続いて人力です。当然1分でできようはずもなく、模写に5時間54分、実写化に6時間50分かかりました。頑張った。

こちらです。

どうでしょうか。AIの画風に影響されないように、実際には人力→AIの順で実写化しました。AIと比べて、元絵に近い色合いを選べていて、女の子の個性も割合残せているかなと思います。

イラストを人力で実写化するまで

備忘録も兼ねて、イラストを実写化するにあたって考えていたことを書きます。

まず模写を通して、女の子の顔と体型を以下のように分析しました。

パーツが丸く、小さく、下方に寄っている子供顔/細いアーチ眉(眉じゃなくて眼窩のくぼみのラインか?)/目と眉の幅が狭い/雌雄眼(右目が大きい)/一重まぶた/右目が四白眼

/虹彩と瞳孔が同じ系統の色/鼻が高い、鼻筋がしっかりしている/中顔面が短い/人中が短い/唇が小さい/額が狭い/直毛/首が長くなで肩、多分ウエーブ体型/鼻より唇が小さく描かれているので、おそらく唇が奥まってる(Eラインがある)/目の上にある眉か骨のアーチの線が長い、おそらく目元の堀が深い/肌の色がピンク色で、黄みが全くない/植物は住宅の緑のカーテンによく使われるマンデビラか?

以上の分析を元に、女の子のイラストに実写の肉付けをしていきました。「ASDあるあるで化粧っ気は少ないだろうな」とか「服の素材は綿だろうな」とも思いましたが、対決する上で公平性を欠くかなと思ったので、そういう考えは除外しました。

ものすごく迷ったのが髪型です。ロングヘアで耳が隠れているのに、一房も髪が前に垂れていない。前だけミディアムヘアだとしても、肩のラインに全く毛先がかからないってことはないよね……?と悩みました。結局前だけミディアムヘアにして毛先をちょっと出しました。

AIは「耳は描いていないが出しているはず。髪の毛を全部耳の後ろにかけて背中に流しているはず」という解釈で描いていますね。元絵に耳がないからアタリが取れなかったのか、すっごい福耳になってるのにフフッとなりました。でも予測して補足できるのすごいな。

以上です。対決って描いたけど、特に勝敗をつける気はないのでこれにてノーサイドです。人それぞれ好みがあるし、そこに優劣はないと思うんだ。のっきーは元絵に忠実を心掛けすぎて、「可愛いらしさ」を二の次にしていたので、AIの解釈にハッとなりました。以前やった「AI美女を分析してみた」のように、イラストでも「万人に受ける可愛さとはこういうことか」と学べるいい機会になりました。

おまけ:女の子をイメチェンさせてみた

イラストを実写化していたら、興が乗ってしまい、女の子を勝手にコーディネートしました。元絵がASDの女の子というものをとてもよく表している素晴らしい絵なので、本当に勝手なんだけど、本を読むとこの子にも親近感が湧いて、服やら小物やらで雰囲気を変えてみたいなという衝動が止められず……。

Before

After

首がすっと長くて、丸顔が愛らしいので、彼女の良さを生かせそうなくびれボブにしました。盛るメイクやファッションより、すっきりシンプルな装いが似合うと思ったので、ちょっとだけチークを入れて、ボーダーを合わせてフレンチでポップな感じにしてみました。著者はイギリスの方なのでフレンチとはこれいかにだけど、イギリス出身でフレンチのミューズとして名を馳せたジェーン・バーキンの例などあるので良きかな……。満足したー。

AI生成のイラストをどう扱うか、とてもデリケートな問題だけど、デジタルお絵描きで人生に彩りが増えたのっきーとしては、「自分の中のイメージを形にする」「万人好みのひとつの正解を示してくれる」強力なツールが増えたのは画期的だと思いました。実際使ってみて面白かったです。法律やガイドラインなどをきちんと整備した上で、うまく共存共栄できたらいいなと思いました。

本のどこを読んでも表紙絵の作者さんの名前が見当たらない。どなたが描いたんだろう。文字がぎっちりボリューム満点なので、ASDの方はありあるが詰まりすぎて「わかる……!」と首肯しまくりしみじみすること必至。孤独じゃないんだなーと思える本です。