のっきーの凸凹ブログ

生きづらい系キノコがゆるゆる頑張るブログ。

デジタルイラストをデジタルデトックスしたい話

デジタルイラストを毎日描いているうちに、デジタルみのないイラストが描きたいなーと思うようになった話をします。

のっきーはタブレットとタッチペン、お絵描きアプリを使ってイラストを描いています。デジタルで描くことの利点はたくさんあって、ぱっと思いつくだけでも、

・紙や絵の具を準備する手間がかからない

・どれだけ失敗してもすぐ描き直せる

・場所を選ばずどこでも描ける

・SNSへの投稿がしやすい

・拡大縮小、反転、コピぺなど、描画の補佐をしてくれるツールがたくさんある

などなどです。失敗を恐れずどんどん描けるので、「今日は◯◯ができた!」という達成感が得やすく、線の調子や色合いや構図を次々と試せるので、「ひとまずこれで納得、完成」という落とし所も見つけやすい。そしてまた新しいイラストにチャレンジできる。それの積み重ねが自己肯定感にも繋がっていきます。ただ、1年半ほど描き続けてみて、「デジタルは続けたいけど、イラスト自体はデジタルデトックスしたい」とも思うようになってきました。

どういうことなのか、ここでトップ画に繋がるんですけど、もう一回貼ります。

右ののっきーはいつも通り、タッチペンでコツコツ描いたイラストです。対して、左のウサちゃんはお絵描きアプリに内蔵されている「四コマ漫画テンプレート」「うさぎのステッカー」「秋のお茶菓子(和・洋)」「にくまるフォント」「ハートスタンプ」の素材で作ったものです。素材を切り貼りしただけで、絵も字も書いていません。

無料素材の寄せ集めなのでややチグハグな印象のウサちゃんですが、有料のお絵描きアプリで3Dモデルなどを使って作ればもっと自然な感じにできると思います。近年急速に普及してきた画像生成AIなら、切り貼りどころか文章を打ち込んで数分で、これより遥かにクオリティの高いイラストが作成できてしまいます。

デジタルツールはあまりにも便利で、のっきーはibisPaintをインストールしてしばらくの間、「スタンプやフォントを使えば簡単に画面が埋まる」「特殊効果で印象も自由自在に変えられる」「楽だし楽しい!!!!」と思い、ツールをゴリゴリ多用していました。しかし50枚100枚200枚と描いていくうちに、だんだん「スタンプやフォントを使った部分だけ水で薄めたような印象になる」「その部分だけ別世界っぽい。画面から浮いて見える」「なんだか味気ない」と感じるようになりました。そしてこのままだと行き着く先は上記の切り貼りウサちゃんではないか?と考えるようになりました。

切り貼りウサちゃんが絶対悪というわけではないんですが、デジタルツールの大きな落とし穴として、「美しい線を引いたり綺麗な形が取れる代わりに、人間臭さを削ぎ落としてしまう」というのがあると思います。使えば使うほど、描き手の人となりや情念やこだわり、生き物の揺らぎみたいなものが出しにくくなると思う。そういうイラストはSNSでの反応もあまり良くないです。人間は人間の感情が感じられるものが好きで、生き物としての泥臭さは往々にして正確無比に整っていることより重要だったりするんだとこの一年半で実感しました。

これは右が手書き文字、左がフォントです。読みやすくなる一方で、イラストの世界観が崩れて、全体的に薄まっている感じがあります。文字だけ変えてもこんなに違いがある。

そういう心の流れがあって、次のブログに載せる絵から「デジタルイラストのデジタルデトックスチャレンジ」をすることにしました。直近10枚くらいのイラストでも何となく意識していたんですが、はっきり目標として掲げてやってみる。具体的には、スタンプやフォントや素材を使わず、できる限り手描きで、アナログに近い感じのお絵描きを頑張ってみます。

そういえば、のっきーはブログの絵置き場にしてるpixivをよく巡回してるんですけど、ここ数年は画像生成AIの勢いがすごくて、ジャンルによっては半分以上を生成AIイラストが占めていて、なんとも複雑な気持ちで眺めています。今の所、「AIイラスト」のタグがついた作品のほとんどが二次創作だったり、女の子単体のセクシャルなイラストなので、自己表現のためのツールとして使っている人は少ない印象。生成AIでも、ものすごい呪文にこだわって何万字と詠唱させたものなら使い手の情念が宿った凄みのあるイラストになるのではと思ったりもします。そのうちイラストに人間の情念を宿らせる生成AIも登場するのかなあ。脳波を読み取って、正確なイメージをイラストに起こせたりとか。そうしたら死ぬその瞬間まで自己表現が可能な世の中になって刺激的ですね。

今回は悩み悩み描いたのであまりまとまってないブログになってしまった。お絵描きは数少ない継続できていることなので、今後も細々描いて行こうと思います。

デジタルデトックスに際して超参考にしているちいかわ。ナガノ先生はアナログの線画をパソコンに取り込んで着色しているそうなんですが、そのバランスがめちゃ良い。枠線も台詞も全部手描きで、文字のひとつひとつも唯一無二のちいかわ世界を構成する要素になっている。原画展行きたいなあ。