カレイの煮付けを作ったら醤油が足りなくて結果的にスパゲッティになった話をします。
カレイの煮付けを作ったら醤油が足りなくてスパゲッティになったんですけど、その日は年に数度訪れるていねいな気分の日でした。頭の中に暮しの手帖が降りて来ていて、お魚の煮物に青菜のおひたしに玄米ご飯に出汁から引いたお味噌汁をいただこうということで、さっそく冷凍庫で霜まみれになっていたカレイの切り身を冷蔵庫に移し、解凍が終わったら塩を振って湯通しして臭みを抜き、冷水でやさしくぬめりを取って、鍋に入れてさあ煮汁の材料を入れましょうって段階で醤油が容器の底に5ミリくらいしか残ってないのに気づきました。
えー、醤油はまだあったはずじゃん、あー違うわ、あったのはめんつゆだわ、醤油もうなかったじゃん、と思い出されて、仕方がないので醤油の容器に水を入れてシャッフルして限界まで使うこととし、醤油が足りない分みりんと酒をドボドボ入れて煮ました。確かしょうがが残っていたからそれは入れようと思ったら残っていたのはにんにくだった。イリュージョン。
そうしてできたのはカレイの煮付けではなくカレイの酒蒸しだったので、同じ鍋に茹でたパスタとレトルトのトマトソースをぶちこんで、適当に炒め煮にした雑なパスタを作って食べました。レトルトのトマトソースに「冷製」って書いてあったけどとてもいい仕事をしてくれて大変おいしかったです。暮しの手帖は醤油をシャッフルした辺りで雲散霧消しました。
調味料の管理本当にできないんだよなあ。新品のトマトケチャップが3本くらい家にあったこともあります。なんか買い物に行くたびに脳内に「トマトケチャップなくない?」という声が響き、あーそうそうと買って来て、冷蔵庫を覗いてトマケチャあったじゃん!ないのはマヨネーズじゃん!といった具合です。スーパーに行ったらチューブ状の何かがないということしか覚えてない。脳内のお奉行さまがさ、のっきーはマヨよりトマケチャの方が良く使っておろう、チューブ状の何かとあらばトマケチャであろう、例えダブったとてないよりあった方が良かろうってお裁きをくださるものだから、トマケチャばっかり増えるっていうね。調味料は完全に使い切って、いよいよ調理に困ったら買いに行くと言うルールを決めたら重複して買うことはなくなりました。なくなる前にストックするって発想がもう無理なんや。いざとなったらコンビニに走ればいいし。カレイの煮付けが酒蒸しになるくらいで、大きな被害は出ていないので、今後もこれで行こうと思います。
最近暑くて雨続きでメンタルも落ちていて、カレイを下処理している時にそのブリッとした身の弾力や皮の力強さに命のあがきを感じて心が折れそうになりました。切り身の生命力に負けてる……。子供の頃はダンゴムシとかテントウムシを手のひらに乗せて遊んでいたけど、もう彼らの覇気に勝てんしメダカにも秒で負けそう。文明の、ど真ん中で、雑に暮らしているからだ。泳ぐ魚とか久しく見てないよ。最後に海水に触れたのはいつだったっけな。今年の夏は海行きたいなあ。
とても美味しいのに、深海にいたり生息海域が狭かったりであまり知られていないお魚の図鑑です。ただ珍しいだけでなく、載ってる魚は全部美味いっていうのがいい!写真と文のバランスがちょうど良くて読みやすいです。Kindle Unlimited無料。キンリミは図鑑系が充実しているからやめられないんだよねえ。ずっしり重い本も気軽にタブレットでさくさく読めるのが良いですね。